バイブコーディングとは?
非エンジニアの会社が業務ツールを自分で作る方法
最終更新 2026年10月10日執筆 牧田大樹(makidai合同会社 代表)読む時間 約7分
バイブコーディング(vibe coding)とは、プログラムの書き方を知らなくても、AIに日本語で「こういうものを作って」と話しかけ、できたものを試し、「ここを直して」と繰り返して、動くソフトを作る方法です。2025年に広まった言葉で、Googleでの検索は2025年1月以降に大きく増え、英語辞書のCollinsが2025年の言葉に選びました。
この記事を書いているmakidai合同会社の代表(牧田)は、プログラマー出身ではありません。この方法で、LINEの経費ボット、ホームページの更新ボット、社内の情報管理サイト、検索順位の自動報告などを作り、自社で毎日使っています。その経験から、「どこまでできて、どこから危ないか」を書きます。
従来のプログラミングとの違い
| 比べる点 | 従来のプログラミング | バイブコーディング |
|---|---|---|
| 作る人 | プログラマー | 業務を知っている人+AI |
| 指示のしかた | プログラミング言語で書く | 日本語で話す。「LINEに写真を送ったら金額を読み取って表に入れて」 |
| 進め方 | 設計→実装→テスト | 作って動かして直す、を短い間隔で繰り返す |
| 速さ | 仕様が固まるまで動くものが無い | 最初の1時間で動くものができることが多い |
| 弱点 | 作る前に全部決めないといけない | 中身を理解せずに進めると、直せない・安全でないものになる |
使う道具
- Claude Code(Anthropic):ターミナルという黒い画面でAIと会話しながら、ファイルの作成・修正・実行まで任せられる道具。makidaiが主に使っています
- Cursor、GitHub Copilot:プログラムを書く画面(エディタ)にAIが入っている道具。少しプログラムを読める人向け
- Dify、各社のノーコード:画面上で部品をつなぐ道具。プログラムを一切見たくない人向け。できることの範囲は狭くなります
- ChatGPT・Claude・Gemini のチャット:短いプログラムや、表計算の式なら、チャットで作って貼るだけでも動きます
非エンジニアの会社で作れたもの
makidaiが自社向けに作ったもののうち、業務を知っている人が日本語で指示して作れた例です。
- LINEに領収書の写真を送ると、会計ソフトに経費が登録されるボット
- LINEで「ここを直して」と送ると、ホームページを書き換えて確認用URLを返すボット
- Notionの代わりになる、社内の情報管理サイト(Googleログイン付き)
- 毎朝、検索順位とアクセスをLINEに送る仕組み
- 決めた日にLINEでリマインドする仕組み、毎日のバックアップ
詳しい中身はAI開発のページに載せています。
安全に使うためのルール
「動いた」と「安全に使える」は別です。makidaiが実際に決めているルールです。
- 鍵(パスワード、APIキー)をプログラムの中に書かない。AIは言われたとおりに書いてしまいます。鍵は別の場所に置き、公開されない仕組みにします
- 取り消せない操作(送信、公開、削除、支払い)は人が押す。AIに全自動でやらせない
- お客様の個人情報を、学習に使われるAIに入れない。業務では入力を学習に使わない契約(API)のAIを使います
- 「なぜ動いているか」を日本語で説明できる状態にする。AIに「この仕組みを日本語で説明して」と頼み、その説明を保存します。担当者が変わっても直せるように
- 外部に公開するものは、作った本人以外が確認する。社内だけで使うものと、お客様が使うものでは、求められる安全の水準が違います
向いているもの・向いていないもの
| 向いている | 向いていない |
|---|---|
| 社内だけで使う小さな道具(集計、通知、記録、変換) | お金を扱うシステム(決済、給与) |
| 既にあるサービス(LINE、Google、会計ソフト)をつなぐもの | 基幹システムの作り直し |
| 「失敗しても人が後から直せる」仕事 | 法律で記録の形式が決まっているもの(単独で作らない) |
会社での始め方
- 自分の仕事で、面倒な繰り返しを1つ選ぶ「毎週この表を作っている」「毎回同じメールを書いている」など。
- チャットAIで、表計算の式や短い手順から始めるいきなりアプリを作らない。式1つで時間が減る体験を先にする。
- 社内だけで使う道具を、AIと一緒に作るClaude Code などで、1〜2時間で動くものを作り、翌日から使う。
- ルール(鍵・個人情報・人が押す場所)を文書にするここまでできたら、お客様が使うものに進めます。
関連する言葉
- AIエージェント:バイブコーディングで作る対象になることが多い、仕事を終わらせるAI。AIエージェントとは
- FDE:お客様の現場に入り、バイブコーディングを含む方法で一緒に作る役割。FDEとは
よくある質問
- 本当にプログラムが分からなくてもできますか?
最初の動くものは作れます。ただし「直す」「安全にする」段階で、最低限の理解(ファイルがどこにあるか、鍵をどう扱うか)が要ります。研修ではそこを扱います。
- 作ったものが止まったら誰が直しますか?
自分で直せるように、作る過程で「なぜ動いているか」の説明を残します。難しい場合はmakidaiが直します(月額の伴走)。
- 社員に教えてもらえますか?
はい。法人向け生成AI研修の中で、社内ツールを1つ作って持ち帰る回を設けています。
研修・導入のご相談
静岡市のmakidai合同会社は、非エンジニアの会社向けに、バイブコーディングの研修と、一緒に作る現場導入を行っています。「面倒な繰り返し」を1つお知らせください。
